ヘアケアの基本はシャンプーです

シャンプーの意味は「洗う物」だと誤解されがちですが、
実はシャンプーとは「マッサージする」という意味なんです。
一般的には髪の毛の脂や汚れを落とすもので、
シャンプーの後にリンスやトリートメントをすることにより、
パサつきや傷みの解消にもなります。

シャンプーの主成分は界面活性剤です。
シャンプーだけでなく石けんや洗剤の主成分も界面活性剤と言えます。

界面活性剤は、天然物、石けん系、脂肪酸エステル系、アミノ酸系、
高級アルコール系、石油系の6つに分類されます。
この6種類を化学的な反応を用いて精製されたか否かによって分類すると、下記のとおりになります。

天然物

界面活性剤の原料に天然物中に存在するもの
(カゼイン、レシチン、サポニン)を主原料としたシャンプーです。
カゼインは牛乳に含まれるタンパク質の一種で乳化作用があり、
レシチンは卵黄や大豆に含まれる両性界面活性剤で、マヨネーズをはじめ多くの食品に使われています。
サポニンは糸瓜(ヘチマ)やお茶に含まれており泡立ちが良いという特徴があります。

●長所
天然系界面活性剤は主に食品に使われているものになります。

●短所
存在量が少ないのと価格面の問題もあるので、これだけでシャンプーを作ることはありません。
天然物には毒物もあるので、人によっては害になる物質を含むこともあると考えて良いでしょう。

石けん系

界面活性剤の原料に脂肪酸ナトリウムや石けんを主原料としたシャンプーのことです。
主原料が石けんなので肌にやさしく、ほどよい洗浄力もあるので一部ユーザーの間で人気を集めています。

ラウリン酸Na(ナトリウム)をはじめ、ステアリン酸Naやオレイン酸Naなどがあります。

●長所
天然成分で作られているので、人体には安全なシャンプーです。
自然派、無添加の製品が多く、洗浄力が強くさっぱり感がある仕上がりです。

●短所
主成分はアルカリ性なので、弱酸性の髪に使用するとキューティクルが毛羽立ち、
洗い上がりにきしみやゴワつきを感じることがあります。
水中のマグネシウムと反応し、石けんカスが出ることもあります。

脂肪酸エステル系

界面活性剤の原料に脂肪酸とグリセリン、またはショ糖などを反応させて作られ、
刺激が少ないことで有名で多くの化粧品に使われています。
(洗浄剤として使われることはほぼありません)

ラウリン酸スクロースやミリスチン酸スクロースなどがあります。

●長所
適度な洗浄力で、皮膚にも低刺激、弱酸性です。
マイルドな仕上がりのシャンプー剤に使われることが多いです。

アミノ酸系

界面活性剤の原料にアミノ酸(グルタミン酸ナトリウム)を使っているシャンプーです。
ヤシ油などから抽出したアミノ酸を洗浄成分としたシャンプーです。

ココイルグルタミン酸NaやラウロイルメチルアラニンNaなどがあります。

●長所
ほとんど刺激がなく、敏感肌やアレルギー肌の方でも使用できます。
洗浄力は強すぎず弱すぎず、頭皮の潤いを保持したまま毛穴につまった汚れを落としてくれます。
乾燥したり皮脂バランスを崩したりする心配もありません。
コンディショニング効果があるので、髪の毛にもやさしいです。

●短所
洗浄力が強くなく、泡立ちもあまりよくありません。
天然アミノ酸系のシャンプーは非常に価格が高いです。

高級アルコール系

界面活性剤の原料にラウリル硫酸やラウレス硫酸などの有刺激性成分を使っているシャンプーです。
現在市場に流通しているシャンプーの中で、ほとんどのシェアを独占している最もポピュラーなシャンプーです。
ドラッグストアやスーパーに陳列されているシャンプーのほとんどは高級アルコール系シャンプーです。
高級とは「高価」という意味ではなく、化学構造的に「炭素(C)の数が多い」と言う意味です。

ラウレス硫酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムなどがあります。

●長所
価格が安く、他の成分と加工がしやすいので、大量生産が可能です。
洗浄力が強くて、泡立ちがいいです。

●短所
肌が敏感な方が使用するとかぶれや失神を引き起こすこともあります。
泡が生分解しないので、環境汚染の原因の1つとなっています。

石油系

界面活性剤の原料に石油(ABS、アルキシベンゼンスルホン酸ナトリウム)を使っているシャンプーです。
現在ではほとんど作られていません。

側鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(ABS)や直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(LAS)、
オレフィン(C12-C14)スルホン酸Naなどがあります。

●長所
価格が安く洗浄力、泡立ちがいいです。

●短所
洗浄力、脱脂力が強いので髪の毛がパサつきます。

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