ヘアケアの基礎知識

毛髪は何からできているのでしょう

毛髪はその80~90%が18種類ほどのアミノ酸でできたタンパク質で残りがメラニン色素、脂質、微量元素、水分から成り立っています。
これらが線維状につながったケラチンからできています。
毛髪は、皮膚の一部が変化したもので頭皮の一部なんです。
18種類のアミノ酸は、シスチン、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、セリン、スレオニン、アルパラギン酸、グリシン、バリン、アラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、チロシン、リジン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトファンです。
毛髪はケラチンが線維状につながっているため、水分をよく含み弾力性に富んでいます。
正常な毛髪の状態では、12~13%の水分が含まれています。

ブローのしすぎなどで水分が不足すると、パサついたりツヤがなくなったりというダメージを引き起こします。
リンスやトリートメントで水分が蒸発しないよう、覆ってあげることが必要なのです。

ヘアは最大で、30~35%くらいまで水分を蓄えることができるのですよ。
水分をたっぷり含んだヘアは、少々伸ばしても切れない位強くなるんですね。

毛髪の構造

毛髪は3つの層で成り立っていて、中心部にあるのがメジュラ(毛髄)で、その周囲をコルテックス(毛皮質)が取り巻き、その外側をキューティクル(毛小皮)が覆っています。

●メジュラ(毛髄)
毛の芯に当たる部分で、一般的に毛の太さはこの毛髄で決まると言われています。

●コルテックス(毛皮質)
髪の大部分はこのコルテックスです。
コルテックスの中にはメラニン色素があり、メラニン顆粒の大きさや構造のちがいにより、黒髪や金髪、赤髪、白髪など、毛の色が決まります。

●キューティクル(毛小皮)
毛髪の表面となる成分で、コルテックスのまわりをうろこ状に覆っています。
正常な毛髪では、きれいに並んでいて、外部の刺激から髪を守る働きをしています。
ヘアケア商品のCMなどで良く出てきますので、一番知っている言葉でしょう。
うろこ状の模様は、指紋のように一人ひとり異なっているそうです。

頭皮から外にでている部分を毛幹部、頭皮の内側に埋まっている部分を毛根部と呼びます。
毛根の根元にある球形のふくらんだ部分を毛球といい、ここで髪の毛が作られます。
毛球の先に毛乳頭があり、周辺の細胞を毛母細胞といいます。
この毛乳頭が毛細血管から運ばれてくる栄養や酸素を取り入れ、毛母細胞に受け渡し働きかけることで、細胞分裂がおこります。
そして細胞分裂によって作られた組織が上へと押し上げられ髪の毛となります。
いわゆる髪の毛と呼んでいる毛幹部自体には治癒能力はなく、一度傷つくと元には戻りません。

毛髪のサイクル

毛髪は平均的に約10万本あるといわれ、ヘアサイクルは約3~7年で、1日に100本くらいが生え変わっています。
その後、約2~3ヶ月ほどで抜けた部分からまた新しい髪の毛が生えてきます。
1日に伸びる髪の毛の長さは0.3~0.5ミリほど、1ヶ月で1センチほど伸びます。

ヘアサイクルは、細胞分裂が活発におこり新しい髪の毛が太くたくさん伸びる成長期、細胞の活動が弱く成長がとまる退行期、髪の毛が抜けて新しい毛を作る準備をおこなう休止期、この3サイクルを繰りかえします。

●成長期(約3~5年)
毛母細胞が活発に分裂し、新しい髪の毛が成長します。
成長期の髪は、髪全体のおよそ85~90%を占めています。

●退行期(約2~3週間)
毛母細胞の活動が弱まり、髪の毛の成長が止まります。
毛乳頭が毛母細胞と離れて下へ移動し、毛母細胞は上へ移動します。
髪全体のおよそ1%を占めています。

●休止期(約2~3ヶ月)
毛乳頭は下のほうで縮小し、毛球部分は上へ移動したまま数ヶ月とどまります。
髪の毛が抜けて、新しい髪の準備段階にはいります。
そして、新しくつくられた髪に押し上げられるようにして古い髪が脱毛します。
髪全体のおよそ15%を占めています。

この期間は寿命の終えた髪の毛が簡単に抜ける時期です。
成長期の毛は無理に抜くと痛いのですが、休止期の毛はほとんど抵抗なしに抜け
てしまいます。シャンプーやブラッシングなどで抜け落ちるのはこの時期の髪です。

一日に抜ける本数は、体調や季節等で変動しますが50~60本程度と言われています。

ちなみに、同じ人の毛でも部位によってヘアサイクルは異なります。
まゆ毛は2ヶ月、すね毛は3ヶ月、わき毛は5ヶ月と言われています。
髪は「長い友だち」と言われますが、ホントに文字通りですね。

このように、毛髪の寿命は長いので、ヘアケアが大切なのです。

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